当センターで育成し、品種登録した品種です。久留米つつじにはない底白を育種目標に品種改良されました。底白はさつき品種がもつ花色模様で、久留米つつじとさつきとの交配を何世代か繰り返すことで開花期が久留米つつじと同じで、底白をもつ品種が生まれました。
クリスマスシーズンに屋内で鉢植えとして観賞することを目的に品種改良されたつつじです。中国原産のロードデンドロン・シムシーと日本のつつじが交配親に使われています。花色の枝変わりが出やすく、枝変わり由来の品種が多いことが特徴です。当センターでは、ベルギー、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、日本の品種がみられます。
群馬県館林市出身の向井千秋宇宙飛行士が、1994年7月にスペースシャトル・コロンビア号に搭乗された際、公式飛行記念品として館林市つつじが岡公園のつつじ種子が選ばれ、コロンビア号に搭載されました。宇宙から戻ったつつじ種子は無事に発芽し、育った苗木は「宇宙ツツジ」と命名されました。当センターは、その挿し木繁殖苗の寄贈を受けました。
1918年にE. H. ウィルソン(ハーバード大学アーノルド植物園のプラントハンター)が赤司廣楽園(久留米市東町)を訪問し、久留米つつじ50品種を買いつけました。これらの品種は、ヨーロッパやアメリカで人気を博し、日本のつつじが西洋で広まるきっかけとなったことから、「ウィルソン50」と呼ばれています。
現在「道の駅くるめ」がある場所に、以前、見本庭園がありました。そこで使用されていた石材を利用して、つつじを配した石庭(枯山水庭園)の制作を試みました。この庭には、久留米つつじ「裾濃の糸」、「今猩々」、「緋の司」、久留米中間つつじ「星鏡」などが植栽されています。
江戸時代に鹿児島県の霧島山から掘り出され、つつじ栽培が盛んであった江戸で品種名が付けられました。つつじ栽培が流行していた当時は、たくさんのつつじが霧島山から掘り出されました。昭和時代までは各地に大株が残っていましたが、しだいに数が減っています。当センターの大株は、2000年に福岡県鞍手町在住の方から寄贈されたものです。